猫の経済学 人間に好かれるにはどうしたらいいか。

 現在一番可愛がっているストリートキャットはHetareである。彼は人間に抵抗しないし、おとなしい。むしろ悟りの境地を開いたかのように、じっと人間のやりたい放題(ここではグルーミングや目薬をさすなどのメンテナンス)を耐えぬき、むしろかまってもらえていることが嬉しいぐらいに、自分を委ねている。しかしながら、本来猫はこのような人間の良かれと思った行為には、抵抗する。無論、家猫Fukuでさえも、風呂に入れさせる。グルーミングをするといった行為にイチイチ反抗する。ShiroやMiはもっと反抗し逃げていってしまい戻ってこない。しかしご飯時には必ず戻ってくるという図々しいのである。Hetareは人間の世話になるなら、このぐらいは我慢しようというトレードオフが備わっているからであろうか。他の雄猫たちもしばしば、相乗りご飯を頂こうと寄ってくるが、私が最優先にご飯をあげるのはHetareである。またオスたちは決して、Hetareの陣地を争うとしない。もしそうなったらご飯を頂けないとわかっているのであろうか。すなわちHetareあってのご飯なのだ。

 猫が人間に好かれる方法。それはただ一つ。人間の行為を受け入れることであろう。そうすれば野良猫でも、食うに困らず、自由でハッピーな人生になるに違いない。服従は決してしないが、多少の歩みは寄るぞというのがいいのではなかろうか。人間社会もしかり、服従をするつもりはないが、やらねばならないことはしっかりやり、自分が主体的に働いていれば、組織に身を寄せようとハッピーライフを過ごせるのではないかと私は思う。